幕を閉じる「ひがしまち街角広場」と伝えたい運営の知恵(ひがしおか, 2019年3月1日)

新千里東町の地域新聞『新千里東町 ひがしおか』に「ひがしまち街角広場」の記事を寄稿しました。


「ひがしまち街角広場」は、2001年9月にオープンし、ボランティア(無償)によって長年、自主的に運営されてきたコミュニティカフェです。しかし、近隣センターの移転・建替えに伴って2021年3月に幕を閉じます。全国のまちの居場所づくりの先進事例にもなった「ひがしまち街角広場」の価値・役割を振り返り、今後の新千里東町の地域づくりに活かしていくことが望まれます。

誕生のいきさつ

新千里東町は、2000年に建設省(現・国土交通省)の「歩いて暮らせる街づくり事業」のモデル地区に選定されました。当時の千里ニュータウンは、人口の減少や少子高齢化、住宅の老朽化、近隣センターの空き店舗の増加などの問題を抱えていました。この事業では、住民の方たちがまちを点検し、ワークショップでの議論を経て、新たなまちづくりに向けた7つの提案をまとめ、その実践の一つとして空き店舗を活用した「ひがしまち街角広場」が誕生しました。

運営の内容と他の地域への影響

「ひがしまち街角広場」はつぎのような集いの場、地域貢献の場として利用されています。

  • ふらっと立寄って話をしたり休憩ができる場所
  • 高齢者や子どもたちをそれとなく見守る場所
  • 地域の団体が会議や懇親会を開く場所
  • 新千里東町の情報が集まる場所
  • 東丘小内のコミュニティルームのカードキーの受け渡しや新聞「ひがしおか」の配布前の保管場所

なお、最初の半年間は豊中市の社会実験として補助を受け、その後は飲み物代や貸室代を家賃、水道光熱費、材料費などに充て、一切補助に頼らない自主運営です。
「ひがしまち街角広場」は、新千里東住宅の「3・3ひろば」や千里文化センターの「コラボ交流カフェ」のほか、各地の居場所づくりの手本になっており、研究者や地域活動関係者の見学も多く、今月はイギリスの研究者の方たちが視察に来られます。

  • コーヒー、紅茶、カルピス(ホット)、マンゴージュース、しょうが湯(お気持ち料:100円)
  • 「ひがしまち街角広場」ではボランティアの募集をしています。お手伝いして頂ける方はスタッフに声を掛けて下さい

新しい東町会館

近隣センターの移転・建替えの一環として、新たな東町会館が現在のスーパー青葉のあたりに建設され、会館内にカフェコーナーが設けられる予定です。建物は市の所有、管理・運営は地域自治協議会となるため、現在の「ひがしまち街角広場」とは違うかたちでの運営となりますが、地域の皆さんの知恵で、誰もが笑顔で集えるカフェコーナーの誕生を期待しています。

伝えたい「ひがしまち街角広場」の知恵

「ひがしまち街角広場」運営の知恵や工夫は、今後の新千里東町の住みやすさや地域連携、地域でのやりがいづくりに取り組む上での貴重な実績・財産です。「ひがしまち街角広場」では、若い世代の方たちに「ひがしまち街角広場」の知恵を伝えながら、新たな居場所や集いの場のアイデアを提案し、試してもらう機会をつくろうと考え、ディスカバー千里(千里ニュータウン研究・情報センター)の主催、一部店舗の協力のもとに、下記の取り組みをスタートしました。また、ボランティアスタッフの募集も行っています。今後ともご支援をお願いします。

街角広場スキマチャレンジ

新千里東町に「あったらいい」、「やってみたい」を街角広場の空き時間を使って試すプロジェクト。毎月1回、土曜日17:00~開催。
開催日「ひがしまち街角広場」の掲示板またはディスカバー千里のウェブサイトをご覧ください。


※「幕を閉じる「ひがしまち街角広場」と伝えたい運営の知恵」・『新千里東町 ひがしおか』第110号 2019年3月1日