空き店舗を「たまり場」に活性化(毎日新聞, 2002年11月6日)

『毎日新聞』に「ひがしまち街角広場」についての記事が掲載されました。


補助金、いりません
スーパーや文具店などが集まる千里ニュータウン「新千里東町近隣センター」(豊中市)の一角に、物静かな周囲と対照的なにぎやかな空間がある。元は自転車店だった空き店舗。バブル崩壊で競売物件になったこともある。そのスペースを借り受け、喫茶店風に改造したのが「ひがしまち街角広場」だ。高齢者から小学生まで、幅広い世代の笑い声が弾ける。
「店」は昨年9月にオープンした。国の「歩いて暮らせる街づくり事業」に豊中市が応募し、住民や学識経験者らによる検討委員会を経て生まれた。・・・・・・
店には、お茶やコーヒーの給仕があるだけで、メニューもない。「お気持ち料」として100円を貯金箱に入れるルールがあるだけ。このスペースに、放課後の時間帯ともなれば「おばちゃん、スルメちょうだい」と子どもたちが次々に寄って、おやつをせがみ、店の人たちとちょっとした会話を交わしながら、まるで店内が「通学コース」の一部であるかのように帰宅していく。
運営は主婦ら12〜13人。完全無給のボランティアで、店の賃貸料は「お気持ち料」からひねり出す。店内に掲げられた写真や絵は、すべて「住民作」。ミニギャラリーの役割も果たしている。サークルが生まれるきっかけにもなっている。人気漫画「ヒカルの碁」で囲碁がブームになったことを受け、昨年12月からは高齢者が講師になった「囲碁教室」も出来た。
自然に生まれたコミュニティー。最初の半年こそ、市の補助180万円を維持・管理に充てた。だが、現在は運営のための「補助金」は受けていない。・・・・・・


※「空き店舗を「たまり場」に活性化」・『毎日新聞』2002年11月6日